2016年

11月

08日

b-flower 八野英史様推薦文★『よほどの不感症じゃない限り、誰にだってわかる!』

越えてくるんじゃないか...。そんな予感がしていた。

 ランドリーズとの出会いは、当時発売されたばかりの2ndアルバム「NATALIE」のダイジェストをネットで偶然見かけたのが最初でした。「うわっ、何これ!」まさに度肝を抜かれるとはこのこと。80年代、90年代のイギリスのギターバンドのサウンドを見事なまでに現代に蘇らせて鳴らしていた。こんなバンドが日本に居たのか!早速購入して聴いたところ、「音」だけでなく、歌声、歌唱、メロディ、ギターのフレーズ、バンドとしてのアレンジ、楽器のアンサンブル、楽曲の構成・展開等々、驚きの完成度の楽曲が並ぶ。そして何より僕が感じたのは、その「音楽」に込められた言葉にはできない「意志」のようなもの。このバンドはいい!そう感じたのが2013年のこと。

そして2016年。今年になって、僕の大好きなスコットランドのバンドか次々にアルバムをリリースした。洋楽のロックやポップスを聴き始めて40年くらいになるけど、大好きな英国のギターバンドの中で最も好きなグループのいくつか、Trashcan Sinatras 、Travis、Teenage Fanclub の3つのバンド。どのアルバムも素晴らしくて、なんて今年は実りの多い年なんだと喜んでいました。

 そしてもうひとつ、ニューアルバムの発売を心待ちにしていたバンド、それがランドリーズ。そう、このバンドは単に「洋楽に憧れて洋楽と遜色ない音を鳴らすバンド」や「ネオアコ、ギタボのカテゴリーの枠内で、それ風の曲を作るバンド」ではない。彼らは自らを敢えて「ネオアコバンド」と称して来た(あまりかっこいいネーミングではないのを承知で、敢えて自らをそう呼んでいるのだと思う)。日本独自のその「ネオアコ」「ギターポップ」というカテゴリーは恐ろしく音楽的に狭いうえに閉鎖的で、小さな枠で囲まれ他の世界と隔てられている。その枠内にとどまり続ける(拡大再生産を繰り返し、その枠内でウケ続ける)のはミュージシャンにとってある意味楽だけれど、と同時に苦痛で退屈なことでもある。おそらくだけど、ランドリーズのメンバーのみなさんもそれをどこかでずっと感じていたんじゃないだろうか。だからその「枠」を越えてくるんじゃないか...。そんな予感がしていた。でも...僕の予想とは異なり、彼らは今回その枠は越えなかった。その代わり、なんとなんとその枠を自力で広げて見せた。この3rdアルバム『Synanthrope』にて、自らの強い意志で真正面から正攻法にてその枠を広げるという離れ業に挑戦し、見事なまでに成功したのだ。(これは本当に凄いことなんだけど、僕の言ってるこの意味、伝わってるだろうか。)もう彼らは、従来の狭いネオアコ枠に収まるバンドでもないし、もちろんイギリスのギターバンドフォロワーなんかではない。前述の Trashcan Sinatras 、Travis、Teenage Fanclub等と同等の「ギターバンドの柱」として今、堂々と大地に立っている。さらに言うと、彼らは「越える」ことなく、「超えて」きた。彼らは、Trashcan Sinatras 、Travis、Teenage Fanclubの2016年の作品を上回る作品を今回作り上げたのだ。

 嘘だと思ったら1曲目のイントロから歌いだしの一声まで、ほんの30秒ほど聴いてみればいい。よほどの不感症じゃない限り、誰にだってわかる。

 

b-flowerプロフィール
先日10月26日に『the very best of b-flower』初ベスト盤をリリースした日本最古の、そして日本最高のネオアコバンドです。ポップスファンもロックファンも全ての音楽好きの方々に聴いていただきたい素敵なバンドです。